| TOPページ | トップ対談 地域の中核病院としての使命を果たす高砂市民病院 |
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現在は、地域をリードする医療機関として、人々に親しまれ、地域医療を提供している高砂市民病院ですが、経営面で危機を迎えた時期もありました。
悪化した経営状況をどのようにV字回復され、活気ある「高砂市民病院」を取り戻されたのでしょうか……そのあたりを大野 徹病院長と三宅 悦子副院長兼看護局長にこれまでのプロセス、現状や展望について語っていただきました。
大野 徹 病院長 : 私が病院事業管理者になった新体制では、看護師にもぜひ病院経営に参画してもらいたいと思っていました。当時は、看護師が病院経営に参画するのはめずらしいことでしたが、最近は大学病院でも看護師が副院長を務める所もあり、そのような流れが見られるようになりました。
医療は医師だけでは成り立ちません。チーム・メディカルとして、看護師、コ・メディカルのメンバーたちと連携しながら、いかに質の高い医療を提供していくかが重要です。風通しが良い環境でなくては、チーム医療はできません。また、一番身近なところで患者さまと接している看護師は患者さまの声を一番理解しており、その声を病院運営に反映させたいと常に思っていました。そのような観点から三宅看護局長に副院長に就任して頂きました。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 : 就任以来、副院長の重責をひしひしと感じています。病院職員の約6割を抱える看護局の病院運営に与える影響は大きいと思います。看護師たちのモチベーションを上げ、病院を活気づけていくよう日々努力しています。
副院長に就任してからは病院の経営方針を決定していく各種幹部会に経営陣として参加していくことになり、その結果、院内の動き、行政の動き、地域の動き等の情報をタイムリーに得ることができるようになりました。
大野 徹 病院長 : 幹部だけでなく職員全員にも病院経営に意識を向け、危機感を感じてほしいと思いました。まずは「高砂市民病院」の現状を知ってもらうため、全職員対象に経営状況の講演会を行いました。病院職員が一丸となって経営改善を行わなければ、この悪化した状況を乗り切れないということを職員全員が感じたと思います。
そこで他職種のことをお互いが知るために毎月1回、院内発表会を始めました。医師、看護師、コ・メディカルがテーマを決めて発表をすることにより、お互いの理解がすすみました。発表を通して質の高い医療への取組みが再確認でき、職員の自信回復にもつながったと思います。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 : 本当にそうですね。他職種のことをお互いが知ることで病院運営がスムーズに行えるようになり、職員間で刺激が生まれ、病院の活性化につながったと思います。院内発表会では『院長のつぶやき』の時間もあり、病院トップの考え方を職員が身近に感じるよい機会となっていると思います。
大野 徹 病院長 : 医師の待遇改善は病院事業管理者に就任してからの最重要課題でした。そこで取組んだのは医師診療手当の創設です。これは診療科の収益に応じて手当を支給する、いわゆる歩合制の導入です。この制度により当院の医師の給与面の待遇は大きく改善されました。医師のモチーベーションアップにつながっていると思います。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 : 医師診療手当の創設で医師のモチベーションも上がり、診療収益は非常に上向いてきました。経営状況がよくなり、看護局はもちろんのこと、職員全員のモチベーションが上がっていることを私も日々感じています。
大野 徹 病院長 : 地域の人たちの生の声を聞きたいと思い、「朝の挨拶」をはじめました。それは、直接色々なご意見を頂戴する良い機会です。患者さまとの語らいは貴重ですし、さらにはご要望もいただけます。また、今年も地域に開かれた病院をめざし、「高砂市民病院健康まつり」を開催しました。3回目となる今年も多くの患者さま、市民の方々にご来院いただき、大盛況でした。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 : 「朝の挨拶」については患者さまから高い評価をいただいています。特に病院長が先頭にたって、挨拶を行っていることで普段は接することのできない病院長を身近な存在に感じることができ、「親しみのある高砂市民病院」をアピールできているのではないでしょうか。
「健康まつり」では、すべての職種の職員がスタッフとなって、自分たちの本来の業務を超えた係わりを患者さまと持つことができ、職員にも非常に有意義なものになったと思います。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 :病院長が病院事業管理者に就任されてから、院内の風通しが非常によくなったと思います。看護局も本来の看護業務に加えて、より専門性を高めるため、認定看護師や各種資格の取得を推進し、それを病院全体がバックアップしてくれる環境も整いました。また、専門外来や「チーム医療」も充実してきており、その中心的な役割を果たす看護師もたくさん育ってきました。
大野 徹 病院長 :そうですね。最近は看護師が積極的に学会発表をし、論文を書くということを行っていますね。看護の専門性を高めるだけではなく、医療に携わるものとして非常に勉強になっていると感じています。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 : 学会発表は、日々の業務の成果を披露できるよい機会となっています。学会発表が認められ、表彰された看護師もいて、それが業務の励みになっているようです。色々なところで学会発表を行うことにより病院をPRすることもできます。また自分たちの発表だけではなく、他病院の発表を聞くことで非常に勉強にもなり、学会発表は非常に重要な位置づけとなりました。
大野 徹 病院長 : これからも専門性の高い認定看護師が多く育ってくれることを願っています。 現在、緩和ケア認定看護師と皮膚・排泄ケア認定看護師の2名の認定看護師がいますね。認定看護師は専門性に特化した医療を組織横断的に行うリーダー的な存在です。専門外来の充実は病院機能を拡大し、色々な症状でお困りの患者さまのお悩みに応えていくことができ、医師も大変助かっています。認定看護師は、より専門性を高めたい看護師たちのめざすべき存在だと思います。また、これから看護師をめざす看護学生たちも非常に注目していますね。
大野 徹 病院長 : これからの公立病院は質の高い医療を提供するとともに、経営も成り立たなければなりません。そのためには、職員も経営に対して意識を持つことが不可欠。院内発表会では、必ず経営状況を説明しています。入院患者数、経営の収支をオープンにすることで、医師も看護師も…職員みんなに経営に対する意識を高めてもらいたいと思っています。医療の質が高ければ経営が悪くてもいいという時代ではありません。経営との両立を達成できなければ公立病院としての存続はありえません。
三宅 悦子 副院長兼看護局長: それは痛感しています。そのバランスが一番難しいですね。看護局のトップとして看護師の人員確保、職場環境をよくしていく役割があるものの、経営陣としては経費削減を実行していかなければならないといった相反する面をいかにクリアしていくかという点。深刻な看護師不足の現場で看護職員のモチベーションを保つことが非常に困難でしたが、看護助手を採用し今は看護師が本来の看護業務に専念できる環境にもどりました。
大野 徹 病院長 : 今後はそれぞれの病院、診療所が単体ではなく、地域全体の中でそれぞれの専門分野に特化した診療を担う時代になってきています。そういった意味では地域の医療機関との連携が非常に重要になってきています。
高砂市民病院は、県内屈指の透析センターを備えています。透析病床稼働率も高く、今後は夜間透析なども視野に入れ、重症患者さまの受入センターとしての役割を果たしていきたいと考えています。
三宅 悦子 副院長兼看護局長 :やはり私も地域医療連携室の強化について、ますます力を注いでいく必要があると感じています。また、施設基準の新規取得、専門外来の充実等の取組みを引続き行なっていかなければならないでしょう。
看護局としては、効率的な退院調整、適正なベットコントロール等を最重点課題として取組んでいくとともに、地域の人々に温かい心の通い合う看護、質の高いチーム医療の提供を今後も心がけてまいります。
大野 徹 病院長 :圏域内ではそれぞれの病院、診療所が専門分野に特化した診療を担っていく時代であることは述べたとおりですが、現在、高砂市民病院は17診療科を有する総合病院ですので、あらゆる疾患に対応できる診療体制を整備しておくことも地域医療を担う上で重要なことと認識しています。
病院事業管理者に就任して以来、経営状況もV字回復し、病院職員一丸となって安定した地域医療の提供体制を構築しています。今後もますます医療の質を高め、救急医療にも力を注ぎながら「真に患者さまのための医療」を提供してまいりたいと思います。





